大分地方裁判所 昭和40年(ワ)475号 判決 1967年6月28日
主文
原告の訴を却下する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
事実
原告は、訴外亡園田熊雄が昭和三五年九月三〇日なした自筆による遺言は無効であることを確認する、との判決を求め、請求原因として、右熊雄は昭和三七年二月二一日死亡し、原告被告らが共同相続をなしたものであるところ、右訴外人は請求の趣旨記載の別紙のとおりの遺言書を自筆により作成し、昭和三七年四月二日大分家庭裁判所の検認をえたものであるが、この遺言は遺言者がその全財産を
(1) 共同相続人中特定の一人にのみ与えようとするものでこれは家族制度家督相続制を廃止した新憲法就中同法二四条に違反し
(2) また右共同相続人中の特定の一人が誰であるかについてはこれを明記していないので権利関係は不明確であるから無効である、よつて右遺言の無効確認を求める、と述べ、甲第一号証の一及二を提出し、乙号各証の成立を認めた。
被告ノブ子は適式の呼出をうけ乍ら口頭弁論期日に出頭ず、かつ答弁書その他の準備書面を提出しない。
その他の被告らは原告の訴は確認の利益がない、と主張し本案につき請求棄却の判決を求め、答弁として原告主張の請求原因事実中遺言者が全財産を遺贈した相手方は被告秀雄であることが文面上読みとれる合理的な意思解釈であつて遺言を無効ならしめる理由はない、と述べたほかは原告主張事実の全てを認め、乙第一号証の一乃至二〇を提出し、甲号各証の成立を認めた。
別紙
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